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「千年女優」のリバイバル上映

昨日、テレビで故今敏監督の「パプリカ」が紹介されたそうですが……
私は先日、「千年女優」のリバイバル上映を観てきました!
(コロナで寝込むより前の話です)

昨年9月には「パーフェクトブルー」がリバイバル上映されていて、それも気になっていたのですが近くの上映館はすぐに完売になってしまって行けずじまいでした。今回の「千年女優」もどうかな……と思っていたのですが、無事に観に行くことができてよかったです。

こちらは入場特典でもらえたミニポスターというもの……。

 

今敏作品が公開・上映されていた当時は確かまだ田舎のティーンだったと思います。ティーンのうちでもハイティーンだったかな……とは思うんですけど、あの頃はとにかく夢も希望もなくて何事にも気力がわかなくて……原動力になるほど元気に打ち込んで好き!と思えるものもなかったので、「パーフェクトブルー」も「千年女優」もたぶん親に連れて行かれていたレンタルビデオで観たのではなかったかと思います。

気軽に行ける映画館なんて一軒もないど田舎だったからね……気力がなくなると本当にテレビとラジオしかない生活だった……。テレビとラジオは電源を入れさえすれば何かしらが放送されているので……。

そんななかでも「千年女優」はけっこうお気に入りになった作品でした。

フィルマークスというレビューサービスのツイッターからの情報です。

これを書いている時点で、まだ少し劇場で観られるところがあるのかな?


往年の大女優・藤原千代子さんに、彼女の大ファンでもあった記者(というか映像制作会社の社長ですね)がインタビュー取材に行くところから物語が始まります。このインタビューを受けて千代子さんが喋った内容が映画の内容なのですが、事実を喋っていたと思ったらいつの間にか虚構の話になっていったりして、どこが本当に起こったことでどこが虚構(女優として演じた内容?)なのかがよくわからない感じになっています。ただひとつだけ、いつも同じなのは「いつも初恋の人を追いかけている」ということです。

かつてビデオで視聴したときは、ただただ藤原千代子という人の人生が煌めいているな!って思って、千年追い続けるって素晴らしいな!って思った感動だったのですが、今になって観てみたら、もっと違うものも見えてきたりしてとても面白かったです。

取材に行った制作会社の社長における、大女優・藤原千代子への推しっぷりがもう他人とは思えず……その真っ直ぐで全力な推しっぷりに共感と感動を禁じ得ませんでした(^_^;
すごいことです。彼女が別の人を好きでも、他の誰かと結婚しても、ずっと見守り続け……そして、電撃引退して姿が見えなくなっても「藤原千代子」を信じ続けた純粋な推しっぷり!そうよ、推し活って、これよ……!(T▽T)!

私もかつては三次元の人を「推す」という経験がなかったので……(あとおじさんは共感の対象にならなかったので)……見えてこなかったところだと思います。

音楽は平沢進氏が担当しており、ラストシーンからのエンディングテーマはどこか壮大なものを感じさせます。物語内で現実に「起きた出来事」としては別に壮大なことでもないのだけれど。そこまでに語られてきた藤原千代子という人の人生と呼応するかのようです!

世間では堂々の年齢制限もついている「パーフェクトブルー」の方がセンセーショナルで注目されるかとは思います。……が、「千年女優」もいいですよ!「初恋の人」を求めて走り抜けた藤原千代子と、推しを愛し続けたおじさん(笑)の命の煌めきが詰まっています!

映画が終わって劇場を出たら、今敏作品は初めてらしい若いお嬢さん二人組が「どこが現実でどこが作り事かわからなかったよね……なんか芸術って感じ……」「なんか……誘ってごめんね……」みたいな会話をしているのを聞きました。私的には、この映画、どこが現実かなんて、よく分からなくてもいいんじゃないかなって思います。「理解する」頭で考えて観なくてもいいんじゃないかと……。考えるな!感じろ!ですね……。

それが「芸術って感じ」になるのか……(^_^;

でも、この映画には事実よりも生々しい「煌めき」という真実が詰まっているんだよ……。(急にポエム)
それを皆様にぜひ目撃して欲しい……。

こういう「どこが現実なの?」っていう表現も、アニメならではだなって思います。
たとえば小説などでこの映像をそのまま文章に起こしたら、かなりSFな世界観になってしまいますよね……。
インタビューを通しておじさんが推しと共鳴している様を活き活きと描けるなんて、きっとアニメだけです。ドラマとかの実写でやってもギャグっぽくなるよね、おそらく。

最高の贅沢ですよね。推しが楽しく自由に話したいことを話しているところに、自ら勇んで共鳴しにいけるって……(*^-^*)


今回は本当におじさん側に激しく共感しました/(;´∀`)

 

……ところで、この入場特典でもらったミニポスターに描かれているのが女優時代の藤原千代子さんなんですけど……

泣きぼくろが帝劇のトップスタアを彷彿とさせます……。
サクラ大戦は1996年に出たゲームですが、この「千年女優」は2002年に公開されたものです。
かつては大女優といえば泣きぼくろのイメージだったのかな……?

今はそもそも、ほくろをチャームポイントにしたキャラがあまり見当たらないような気がしますね。
そういえば、そばかすキャラも最近は見かけない気がするな……。

 

今敏作品では確か「東京ゴッドファーザーズ」もわりと安心して楽しめるやつだったような気がします。これも昔ビデオで観ただけなので、記憶が遠いですが……。

今敏監督、早くに亡くなられて、とても残念です。
田舎でどうしようもない無気力生活を送りながらも、「また新作が出たら観たいな」と思っていました。